ずっと考えていました。教師という仕事にもう可能性は無いのだろうかということ。いつからだったか、28年間も教師をやっていると子供が以前とは全く違うことに気が付きました。

例えば、学校での人間関係と放課後の人間関係が違うのです。確かに昔からそういうことはあったかもしれませんが、決定的に違うのはスマホで友だちとつながっているということです。

今日は何か教室の雰囲気が朝から変だなと思って、よくよく子どもの言葉に耳をすませて聞いていると「昨日LINEで〇〇ちゃんがさぁ…」とか「昨日タイムラインに⚫︎⚫︎ちゃんがのせたあの言葉ひどくない?」と言うことがよくあるのです。

そして次第に問題は大きくなっていき、険悪な雰囲気はそのまま学校生活に現れ、クラスの問題へと発展していったときに初めて教師が介入することになります。実はクラスではおとなしい子がそのLINEグループのリーダーだったり、仲良しグループだと思ったのにそのグループから離れるとイジメが待ってたりします。

そう、子どもたちがスマホを手に入れた時から、もはや私たち大人の手の届かないところに行ってしまったのです。高度な情報化社会は子どもたちの人間関係を既に破壊してしまっているのです。子どもたちの心はスマホに完全に奪われてしまいました。どの子も、スマホを手にした瞬間から変身します。もう学校の勉強どころではなくなります。

非常に辛い話ですが、家族と話すより、自分が何を言われているのかが気になり、クラスのグループLINEや友達同士のLINEに夢中になります。そして少しでも、気になる言葉があればその言葉に引っかかり、つい、悪い言葉で返してしまったり、他の子に「これってどういう意味だと思う?」などとスクショで相談したりします。ここで相談を受けた友達が、自分一人では抱えきれなくなり、そのスクショを別の子に開示し、「ねぇねぇこの子こんなこと言ってるんだけどどう思う?」と言って広がっていくのです。そして、小さかった問題はやがて大きくなります。

スマホの中に安心材料なんかありません。中学生や高校生になると、どうすれば相手に取って不愉快になるのか、理解し未然に防ぐことができるのですが、小学生はそういうわけにはいきません。どうしてもトラブルにつながることが多いのです。

今、このことを理解していない文科省や教育委員会は「いじめ問題を何とかしろ」と現場に突きつけてきますが、その前にスマホをなんとかしなければいじめの問題は学校で解決することは不可能です。もう昭和じゃないんです。

そのことに気づいたお母さん。お子さんを守ってあげられるのはあなたしかいません。スマホのことを一緒に学んでいきましょう!